ホームページを作ろうとすると、必ずぶつかるのが「どのツールで作るか」という問題です。
WordPress、Wix、STUDIO。 名前は聞いたことがあるけれど、違いがわからない。 どれを選べば失敗しないのか、判断がつかない。
そんな方のために、この記事では3つのツールを「機能」「費用」「SEO」「カスタマイズ性」の4軸で徹底比較します。 最後に判断フローチャートも用意しましたので、自社に最適なツールが見つかるはずです。
ホームページ制作の全体像はホームページ制作の完全ガイドでまとめています。
1. WordPress・Wix・STUDIOの基本比較
まず、3つのツールの基本的な特徴を整理します。
WordPressとは
WordPressは、世界のWebサイトの約43%で使われているオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)です。
自分でサーバーを用意し、WordPressをインストールして使います。 テーマ(デザインテンプレート)とプラグイン(拡張機能)を組み合わせることで、ブログから企業サイト、ECサイトまで幅広く対応できます。
なお、ここでいうWordPressは「WordPress.org」(自分でサーバーにインストールするタイプ)です。 「WordPress.com」(ホスティング付きのサービス版)とは異なります。
Wixとは
Wixは、イスラエル発のノーコードWebサイト作成ツールです。 ドラッグ&ドロップでデザインを編集でき、サーバーやドメインの管理もWix側で行われます。
テンプレートが豊富で、プログラミングの知識がなくても見栄えの良いサイトが作れることから、世界で2億以上のサイトがWixで作られています。
近年はAIを活用したサイト自動生成機能(Wix ADI)も搭載され、より手軽にサイトを構築できるようになっています。
STUDIOとは
STUDIOは、日本発のノーコードWebサイト作成ツールです。 日本語のUIと日本企業向けのテンプレートが充実しており、日本市場に特化しているのが特徴です。
デザインの自由度がWixよりも高く、プロのデザイナーが使うケースも多いです。 CMS機能も搭載されており、ブログやお知らせの更新も可能です。
3ツールの基本比較表
| 項目 | WordPress | Wix | STUDIO |
|---|---|---|---|
| 種類 | オープンソースCMS | ノーコードツール | ノーコードツール |
| サーバー | 自分で用意 | Wixが提供 | STUDIOが提供 |
| 世界シェア | 約43% | 約3% | 日本中心 |
| 学習コスト | 中〜高 | 低 | 低〜中 |
| 日本語対応 | 対応(一部英語) | 対応 | 完全対応 |
| 無料プラン | あり(ソフト自体は無料) | あり(広告表示) | あり(広告表示) |
2. 機能・カスタマイズ性の比較
デザインの自由度
| ツール | デザインの自由度 | 補足 |
|---|---|---|
| WordPress | 非常に高い | テーマのカスタマイズ、フルカスタムのオリジナルテーマ開発が可能 |
| Wix | 中程度 | ドラッグ&ドロップで直感的だが、テンプレートの構造に制約あり |
| STUDIO | 高い | ノーコードながらCSS的なレイアウト制御が可能。デザイナーの自由度が高い |
WordPressはコードを書けばあらゆるデザインを実現できますが、技術力が必要です。 STUDIOはノーコードの中ではデザインの自由度が最も高く、Wixよりも細かいレイアウト調整ができます。
Wixはテンプレートベースで手軽ですが、凝ったデザインにはやや限界があります。
拡張機能
| ツール | 拡張方法 | プラグイン/アプリ数 |
|---|---|---|
| WordPress | プラグイン | 約60,000以上 |
| Wix | Wix App Market | 約500以上 |
| STUDIO | 外部サービス連携 | 限定的 |
拡張性ではWordPressが圧倒的です。 予約システム、ECカート、会員機能、多言語対応など、ほぼあらゆる機能をプラグインで追加できます。
ただし、プラグインを入れすぎるとサイトの表示速度が低下したり、プラグイン同士の競合が発生するリスクがあります。
Wixは基本的な機能がデフォルトで揃っており、追加のアプリも比較的安定しています。 STUDIOはシンプルさが特徴であり、複雑な機能が必要な場合は外部サービスとの連携が必要です。
ブログ・コンテンツ管理
| ツール | ブログ機能 | 評価 |
|---|---|---|
| WordPress | 非常に強力 | もともとブログ用に開発されたCMS。カテゴリ、タグ、カスタム投稿タイプなど柔軟 |
| Wix | 標準搭載 | 基本的なブログ機能あり。カテゴリ分類やSNS連携も可能 |
| STUDIO | CMS機能あり | 記事投稿は可能だが、WordPressほどの柔軟性はない |
定期的にブログを更新してSEO集客を行いたい場合は、WordPressが最も適しています。 コンテンツマーケティングを本格的に行うなら、WordPressの一択と言ってよいでしょう。
EC(通販)機能
| ツール | EC対応 | 補足 |
|---|---|---|
| WordPress | WooCommerce等で対応 | 高機能だが設定が複雑 |
| Wix | Wix Stores搭載 | 中小規模のECに十分対応 |
| STUDIO | 非対応 | ECサイトには向かない |
本格的なECサイトを運営するならWordPress + WooCommerce、またはShopifyの検討が必要です。 小規模な物販であればWixで十分対応できます。
自作と外注の判断についてはホームページは自作と外注どっちがいい?で解説しています。
3. 費用・ランニングコストの比較
初期費用
| ツール | 自作の場合 | 制作会社に依頼 |
|---|---|---|
| WordPress | テーマ代 0〜2万円 + サーバー初期費 0〜3,000円 | 30万〜300万円 |
| Wix | 0円(無料プランあり) | 15万〜100万円 |
| STUDIO | 0円(無料プランあり) | 15万〜100万円 |
WordPress自体は無料ですが、サーバー契約と有料テーマの購入が一般的です。 Wix・STUDIOは無料で始められますが、ビジネス利用には有料プランが必要です。
月額ランニングコスト
| ツール | 月額費用の目安 | 内訳 |
|---|---|---|
| WordPress | 1,000〜5,000円 | サーバー代 + ドメイン代(月割り) |
| Wix | 1,200〜4,300円 | 有料プラン(ドメイン・サーバー込み) |
| STUDIO | 980〜4,980円 | 有料プラン(ドメイン・サーバー込み) |
月額コストだけを見ると、3つのツールに大きな差はありません。
ただし、WordPressは保守管理(アップデート、セキュリティ対策、バックアップ)を自分で行う必要があります。 これを外注する場合は月額5,000〜30,000円が追加されます。
Wix・STUDIOはプラットフォーム側が保守管理を行うため、追加の保守費用がかかりません。
5年間の総コスト比較
自作で運用する場合の5年間の総コスト目安です。
| ツール | 5年間の総コスト目安 |
|---|---|
| WordPress(自己管理) | 約8万〜35万円 |
| WordPress(保守外注) | 約38万〜215万円 |
| Wix(有料プラン) | 約7万〜26万円 |
| STUDIO(有料プラン) | 約6万〜30万円 |
自分で管理できるなら、どのツールもランニングコストに大差はありません。 しかし、WordPressの保守を外注する場合は総コストが大幅に上がります。
4. SEO対応力の比較
SEOに強いかどうかは、ツール選びの重要な判断基準です。
基本的なSEO機能
| SEO項目 | WordPress | Wix | STUDIO |
|---|---|---|---|
| タイトルタグの編集 | 可(Yoast SEO等) | 可 | 可 |
| メタディスクリプション | 可(プラグイン) | 可 | 可 |
| 見出しタグ(H1〜H6) | 完全制御 | 可 | 可 |
| URL(パーマリンク)の編集 | 完全自由 | 可(一部制約あり) | 可 |
| 構造化データ | プラグインで対応 | 一部自動生成 | 限定的 |
| XMLサイトマップ | プラグインで自動生成 | 自動生成 | 自動生成 |
| robots.txt | 自由に編集可 | 限定的な編集 | 編集不可 |
| 301リダイレクト | プラグインで対応 | 可 | 可 |
基本的なSEO機能は、3つのツールすべてで対応可能です。
ただし、WordPressはYoast SEOやAll in One SEO Packなどのプラグインを活用することで、非常に細かいSEO設定ができます。
表示速度(Core Web Vitals)
表示速度はSEOの評価要因の一つです。
| ツール | 表示速度の傾向 |
|---|---|
| WordPress | テーマ・プラグインの選び方次第。最適化すれば高速、放置すると低速 |
| Wix | 以前は遅いと言われていたが、近年は大幅改善。標準で合格レベル |
| STUDIO | 軽量な設計で高速。Core Web Vitalsのスコアが高い傾向 |
WordPressは自由度が高い分、最適化を怠ると表示速度が著しく低下します。 画像の最適化、キャッシュプラグインの導入、不要なプラグインの削除が必須です。
STUDIOはプラットフォーム側で最適化されているため、特別な対策をしなくても高速に表示されます。
コンテンツSEO(ブログ運用)での差
SEOの成果は、ツールの機能よりも「コンテンツの質と量」で決まります。
WordPressはブログ運用に最適化されており、カテゴリ構造やタグ、関連記事の表示など、コンテンツSEOに必要な機能が充実しています。
Wix・STUDIOでもブログ記事の投稿は可能ですが、記事数が増えてきたときの管理のしやすさではWordPressに軍配が上がります。
月に4本以上のブログ記事を公開してSEO集客を本格的に行う場合は、WordPressを選ぶべきです。
SEOの基礎知識はホームページのSEO対策入門で解説しています。
5. どれを選ぶべき?判断フローチャート
以下のフローに沿って、自社に最適なツールを判断してください。
判断基準1:ブログやコンテンツマーケティングを本格的に行うか?
はい → WordPress
月に数本以上のブログ記事を投稿し、SEOで長期的に集客したい場合はWordPressが最適です。 コンテンツの管理機能、SEOプラグインの充実度、拡張性のいずれもWordPressが優れています。
いいえ → 判断基準2へ
判断基準2:技術者(社内またはパートナー)がいるか?
はい → WordPress
社内にエンジニアやWebに詳しいスタッフがいる、または信頼できる制作会社と長期的にパートナーシップを組める場合は、WordPressの自由度を最大限活用できます。
いいえ → 判断基準3へ
判断基準3:デザインにこだわりたいか?
はい → STUDIO
テンプレートに頼らず、オリジナリティのあるデザインをノーコードで実現したい場合はSTUDIOが最適です。 デザイナーが直接操作できるため、デザインカンプを忠実に再現できます。
いいえ → Wix
とにかく手軽に、速く、そこそこ見栄えの良いサイトを作りたい場合はWixが最適です。 テンプレートを選んで内容を差し替えるだけで、数時間〜数日でサイトが完成します。
ケース別おすすめまとめ
| ケース | おすすめ |
|---|---|
| ブログで集客したい中小企業 | WordPress |
| ECサイトも兼ねたい | WordPress(WooCommerce)またはShopify |
| 自分で手軽に作りたい個人事業主 | Wix |
| デザインにこだわるブランドサイト | STUDIO |
| 期間限定のキャンペーンサイト | STUDIO または Wix |
| 大規模サイト(100P以上) | WordPress |
| 多言語サイト | WordPress |
| とにかく初期費用を抑えたい | Wix または STUDIO |
| 保守管理の手間をゼロにしたい | Wix または STUDIO |
どのツールを選ぶ場合でも、ホームページ制作の完全ガイドを事前に読んでおくと、全体像がつかめます。
6. FAQ
Q. WordPressは初心者でも使える?
管理画面の操作自体は難しくありません。 ブログ記事の投稿や簡単なページ編集であれば、1〜2時間のレクチャーで対応できるようになります。
ただし、初期構築(テーマの設定、プラグインの選定、SEO設定など)には技術的な知識が必要です。 初期構築は制作会社に依頼し、日常の更新は自分で行うというのが現実的なアプローチです。
Q. WixやSTUDIOからWordPressへの移行は簡単?
簡単ではありません。
Wix・STUDIOで作成したサイトのデータをWordPressにそのまま移行する機能はありません。 コンテンツの移行は基本的に手動作業になり、デザインも一から作り直す必要があります。
将来的にWordPressへの移行を想定している場合は、最初からWordPressで始めることをおすすめします。 逆に、WordPressからWix・STUDIOへの移行も同様に手動作業が必要です。
Q. 複数のツールを組み合わせて使うことはできる?
はい、可能です。
例えば「メインサイトはSTUDIOで構築し、ブログだけWordPressで運用する」というケースは実際にあります。 サブドメイン(blog.example.com)にWordPressを設置する方法です。
ただし、管理が煩雑になるデメリットがあるため、可能であれば1つのツールに統一するほうがよいでしょう。
Q. SEOにはやっぱりWordPressが有利?
「WordPress = SEOに強い」というのは半分正解で半分誤解です。
WordPressはSEOの細かい設定ができるという意味では有利ですが、SEOの成果は「ツール」ではなく「コンテンツの質」と「サイト設計」で決まります。
Wix・STUDIOでも基本的なSEO設定は可能であり、質の高いコンテンツを継続的に発信していれば、ツールの違いによるSEOの差はほとんどありません。
ただし、50ページ以上のコンテンツを管理する場合や、構造化データなどの高度なSEO施策を行う場合は、WordPressのほうが対応しやすいです。
Q. Wix/STUDIOの無料プランで十分?
ビジネス用途であれば、有料プランへの移行を強くおすすめします。
無料プランのデメリットは以下のとおりです。
- Wix/STUDIOの広告が表示される(信頼性低下)
- 独自ドメインが使えない
- ストレージや帯域幅に制限がある
- 一部の機能が使えない
月額1,000〜5,000円程度の投資で、ビジネスとしての信頼性が大きく変わります。
7. まとめ
WordPress、Wix、STUDIO。それぞれに強みと弱みがあり、「万能なツール」は存在しません。
この記事のポイントを振り返ります。
- WordPressは拡張性とSEO対応力が最高。ただし技術力または保守外注が必要
- Wixは手軽さが最大の強み。個人事業主や小規模ビジネスに最適
- STUDIOはデザインの自由度が高く、日本語対応が充実。ブランドサイトに向いている
- 月額のランニングコストは3ツールともに大差なし(1,000〜5,000円程度)
- SEOの成果はツールではなくコンテンツの質で決まる
- ブログ運用を本格的に行うならWordPress一択
自社の状況(技術力、予算、更新頻度、将来の拡張性)を踏まえて、最適なツールを選びましょう。
判断に迷う場合は、ホームページは自作と外注どっちがいい?やホームページ制作の完全ガイドも参考にしてください。
