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リスティング広告キーワード選定術

2026.04.05 公開 | 読了時間 約12分

リスティング広告を出したのに、全然問い合わせが来ない。 そんな悩みの原因は、ほとんどの場合「キーワード選定」にあります。

どれだけ予算をかけても、狙うキーワードがズレていれば成果にはつながりません。 逆に、正しくキーワードを選べば、月3万円の予算でも確実に来店や予約を獲得できます。

この記事では、店舗ビジネスに特化したリスティング広告のキーワード選定術を解説します。 地域名との組み合わせ方からマッチタイプの使い分け、除外キーワードの設定まで、実務で使えるノウハウをまとめました。

Web広告全般の基礎知識はWeb広告の完全ガイドで体系的にまとめています。

1. なぜキーワード選定が広告成果を左右するのか

KW選定は「誰に広告を見せるか」を決める作業

リスティング広告は「検索キーワードに対して広告を表示する」仕組みです。 つまり、キーワード選定とは「どんな人に広告を見せるか」を決める作業にほかなりません。

キーワードが間違っているとどうなるか

キーワード選定を失敗すると、以下のような事態に陥ります。

  • 来店意欲の低いユーザーばかりがクリックし、広告費が無駄になる
  • そもそも検索ボリュームがなく、広告が表示されない
  • 競合が強すぎるキーワードを選び、クリック単価が高騰する
  • 自社の強みと合わないキーワードで集客し、成約率が低い

たとえば「歯医者」という単体キーワードだけで広告を出しても、「歯医者 なりたい」「歯医者 年収」といった来店と関係ない検索にも表示されてしまいます。 これでは広告費が垂れ流しになるだけです。

店舗ビジネスのキーワード選定が特に重要な理由

店舗ビジネスの場合、ユーザーが実際に来店できる商圏は限られます。 東京の歯科医院が大阪のユーザーにクリックされても意味がありません。

だからこそ、「地域名 + サービス名」を軸にしたキーワード設計が不可欠です。 また、店舗の場合は検索から来店・予約までの距離が近いため、購買意欲の高いキーワードを選ぶことで少ない予算でも高い成果を出せます。

「検索意図」を理解する

キーワード選定で最も重要な概念が「検索意図」です。 同じ「美容院」というキーワードでも、検索意図は大きく異なります。

検索キーワード検索意図来店確度
美容院 渋谷 安い安い美容院を探している高い
美容院 カラー 値段相場を調べている中程度
美容院 開業経営者志望なし
美容院 バイト求職者なし

来店確度の高いキーワードに予算を集中させることが、店舗広告の鉄則です。 キーワードの検索意図を深掘りする方法はSEOキーワード選定の完全ガイドでも詳しく解説しています。

2. 店舗向けキーワードの基本構造

地域名+サービス名を軸にニーズと緊急性を加える

店舗ビジネスのリスティング広告では、キーワードの組み立て方にパターンがあります。 このパターンを知っておけば、業種を問わず応用できます。

「地域名 + サービス名」が基本

店舗広告のキーワードは「地域名 + サービス名」が最も基本的な構造です。

  • 渋谷 歯医者
  • 新宿 美容院
  • 横浜 整体
  • 梅田 パーソナルジム

地域名は「市区町村名」「駅名」「エリア名」の3パターンがあります。 それぞれ検索ボリュームと競合の強さが異なるため、すべて洗い出しておくべきです。

地域名の種類検索ボリューム競合
市区町村名渋谷区 歯医者
駅名渋谷駅 歯医者中〜高
エリア名渋谷 歯医者
細かい地名神南 歯医者

最初は「駅名 + サービス名」から始めて、成果を見ながら範囲を広げていくのが効率的です。

「ニーズ系キーワード」を加える

地域名+サービス名だけでは、競合との差別化ができません。 そこで、ユーザーのニーズを表すキーワードを加えます。

  • 渋谷 歯医者 痛くない
  • 新宿 美容院 カット 安い
  • 横浜 整体 腰痛 おすすめ
  • 梅田 パーソナルジム 女性専用

これらのキーワードは検索ボリュームこそ少ないものの、コンバージョン率(来店率)が非常に高い傾向にあります。 いわゆる「ロングテールキーワード」と呼ばれるもので、競合も少なくクリック単価も安いため、費用対効果が高いのが特徴です。

「緊急系キーワード」は最優先

店舗ビジネスの中でも、緊急性の高い検索は最もコンバージョン率が高くなります。

  • 歯医者 今日 予約
  • 鍵 交換 即日
  • 水道 修理 24時間
  • エアコン 修理 今日

これらのキーワードはクリック単価が高い傾向にありますが、それでも1件の成約で十分に回収できる場合がほとんどです。 自社のサービスに緊急系のニーズがある場合は、最優先でキーワードに含めましょう。

競合名キーワードという選択肢

競合の店舗名やブランド名をキーワードとして設定する手法もあります。 「〇〇クリニック」と検索している人は、そのクリニックに行こうとしているか、比較検討中の可能性が高いためです。

ただし、競合名キーワードは以下の点に注意が必要です。

  • 広告文に競合名を含めることはGoogle広告の商標ポリシーに抵触する可能性がある
  • クリック単価が高くなりやすい
  • 既に競合を選んでいるユーザーの場合、コンバージョン率が低い

使うかどうかは、自社と競合の関係性や予算を考慮して判断してください。

3. キーワードの洗い出し方法と便利ツール

キーワード選定は「思いつき」で行うと、必ず漏れが出ます。 ツールを活用して体系的に洗い出すことが重要です。

Googleキーワードプランナー

Google広告の管理画面から無料で使えるツールです。 以下の情報が取得できます。

  • 月間検索ボリュームの目安
  • 関連キーワードの候補
  • 推定クリック単価
  • 競合の強さ

まず自分が思いつくキーワードを5〜10個入力し、関連キーワードの候補を取得しましょう。 そこから芋づる式にキーワードを広げていくのが基本的な流れです。

Googleサジェストの活用

Google検索バーにキーワードを入力した際に表示される候補ワード(サジェスト)も、有力なキーワード源です。 サジェストは実際にユーザーが検索しているキーワードに基づいて表示されるため、リアルなニーズを反映しています。

「渋谷 歯医者」と入力すれば、「渋谷 歯医者 おすすめ」「渋谷 歯医者 土曜日」「渋谷 歯医者 夜」などが表示されます。 これらはすべてキーワード候補としてリストアップしておくべきです。

「関連する検索」もチェック

Google検索結果ページの下部に表示される「関連する検索」も見逃せません。 ここにはサジェストとは異なるキーワードが表示されることが多く、思いもよらないキーワードが見つかることがあります。

Search Consoleのデータを活用する

既にホームページを持っている場合は、Google Search Consoleのデータが非常に有用です。 自社サイトがどんなキーワードで検索結果に表示されているかを確認でき、そこから広告キーワードのヒントを得られます。

特に、表示回数は多いのにクリック率が低いキーワードは、SEOでの上位表示が難しいがニーズはあるキーワードです。 これをリスティング広告でカバーするのは非常に合理的な戦略です。

リスティング広告のデータをSEOに活かす方法では、広告とSEOのデータ連携について詳しく解説しています。

キーワードをスプレッドシートで管理する

洗い出したキーワードはスプレッドシートで一元管理しましょう。 以下の列を作っておくと、後の整理がスムーズです。

列名内容
キーワード実際の検索語句
月間検索ボリュームキーワードプランナーの数値
推定CPCクリック単価の目安
検索意図来店・情報収集・比較など
優先度高・中・低
マッチタイプ完全一致・フレーズ一致・部分一致

この一覧を作ることで、どのキーワードから出稿するべきかの優先順位が明確になります。

4. マッチタイプの使い分け

フレーズ一致から始め、データで精度を上げる

キーワードを選んだら、次は「マッチタイプ」の設定です。 マッチタイプとは、ユーザーの検索語句とキーワードの一致度合いを指定する設定のことです。

3つのマッチタイプ

Google広告には3つのマッチタイプがあります。

マッチタイプ記号表示される範囲例:「渋谷 歯医者」
完全一致[渋谷 歯医者]ほぼ同じ意味の検索「渋谷 歯医者」「渋谷の歯医者」
フレーズ一致"渋谷 歯医者"意味を含む検索「渋谷 歯医者 おすすめ」「渋谷 歯医者 安い」
部分一致渋谷 歯医者関連する検索全般「渋谷 歯科クリニック」「渋谷 虫歯 治療」

店舗ビジネスにおすすめの使い分け

店舗ビジネスの場合、以下の使い分けがおすすめです。

まずは「フレーズ一致」から始めてください。 完全一致では表示機会が限られすぎ、部分一致では関係のない検索にも表示されてしまいます。 フレーズ一致はその中間で、コントロールしやすいバランスです。

運用が安定してきたら、成果の良いキーワードを完全一致に切り替えて入札を強化します。 逆に、まだ見つけていないキーワードを発掘するために、一部のキーワードを部分一致で出すという使い方もあります。

部分一致を使うときの注意点

部分一致は広告の表示範囲が広がるメリットがある一方、意図しない検索にも表示されるリスクがあります。

たとえば「渋谷 歯医者」を部分一致で設定すると、「渋谷 歯科衛生士 求人」のような来店と関係ない検索にも表示される可能性があります。

部分一致を使う場合は、必ず除外キーワード(次の章で解説)を組み合わせて使いましょう。 また、検索語句レポートを週1回は確認し、不要な検索語句が入っていないかチェックすることが必須です。

Google広告の基本的な設定方法はGoogle広告の始め方ガイドで解説しています。

5. 除外キーワードの設定

キーワード選定と同じくらい重要なのが、「除外キーワード」の設定です。 除外キーワードとは、「この検索語句が含まれる場合は広告を表示しない」という設定のことです。

店舗ビジネスで必ず除外すべきキーワード

以下のキーワードは、ほぼすべての店舗ビジネスで除外すべきです。

カテゴリ除外すべきキーワード例
求人系求人、バイト、パート、採用、年収、給料
資格系資格、なりたい、なるには、学校
自分でやる系セルフ、自分で、やり方、方法
情報収集系とは、意味、英語、wiki
競合・無関係(競合の固有名詞、関係ない地域名)

除外キーワードの追加手順

除外キーワードは、Google広告の管理画面から以下の手順で追加します。

  1. キャンペーンまたは広告グループを選択
  2. 「キーワード」タブを開く
  3. 「除外キーワード」セクションに移動
  4. 追加したいキーワードを入力

除外キーワードにもマッチタイプがあります。 基本的には「フレーズ一致」で除外するのがおすすめです。 完全一致で除外すると、少しでも語句が異なれば除外されずに表示されてしまうためです。

検索語句レポートから除外キーワードを見つける

最も効果的な除外キーワードの追加方法は、検索語句レポートの確認です。 検索語句レポートとは、実際にどんな検索語句で広告がクリックされたかを確認できる機能です。

ここに「求人」「バイト」「年収」などが含まれていたら、すぐに除外キーワードに追加しましょう。 これを毎週継続するだけで、無駄な広告費を月に数万円単位で削減できます。

リスティング広告の運用改善全般についてはリスティング広告の運用改善チェックリストも参考にしてください。

除外キーワードリストの活用

Google広告には「除外キーワードリスト」という機能があり、複数のキャンペーンに一括で除外キーワードを適用できます。

求人系の除外キーワードはすべてのキャンペーンで共通して使えるため、リストにまとめておくと管理が楽になります。 新しいキャンペーンを作成したときにも、リストを紐づけるだけで設定が完了します。

6. キーワード選定の実践ステップ

ここまでの内容を踏まえ、実際のキーワード選定の流れをステップバイステップでまとめます。

ステップ1:自社の強み・特徴を整理する

まず、自社のサービスの特徴を書き出します。

  • どんなサービスを提供しているか
  • 商圏はどこか(最寄り駅、市区町村)
  • 他店との違いは何か(価格、専門性、営業時間など)
  • どんなお客さんに来てほしいか

これが後のキーワード設計の土台になります。

ステップ2:メインキーワードを決める

「地域名 + サービス名」のメインキーワードを決めます。 キーワードプランナーで月間検索ボリュームとCPCを確認し、現実的に出稿できるものを選びましょう。

月間検索ボリュームが10未満のキーワードはニーズが少なすぎるため、広告の表示回数も限られます。 最低でも月間30〜50以上の検索ボリュームがあるキーワードを選んでください。

ステップ3:サブキーワードを洗い出す

メインキーワードにニーズ系の語句を組み合わせたサブキーワードを洗い出します。 サジェスト、関連検索、キーワードプランナーの候補を使って、最低でも30〜50個はリストアップしましょう。

ステップ4:検索意図で分類する

洗い出したキーワードを「来店意欲の高い順」に並べ替えます。 予算が限られている場合は、来店意欲の高いキーワードから優先的に出稿します。

ステップ5:マッチタイプと除外キーワードを設定する

各キーワードのマッチタイプを決め、除外キーワードを設定します。 最初はフレーズ一致を中心に、求人系・資格系の除外キーワードを必ず入れておきましょう。

ステップ6:少額で出稿し、データを見て調整する

いきなり大きな予算をかけるのではなく、日予算1,000〜3,000円から始めましょう。 2週間程度のデータが貯まったら、検索語句レポートを確認してキーワードの追加・除外・マッチタイプの変更を行います。

この「出稿 → データ確認 → 調整」のサイクルを回すことが、キーワード選定の精度を上げる最短ルートです。

よくある質問

キーワードは何個くらい設定すればいいですか?

最初は1つの広告グループにつき10〜20個が目安です。 多すぎると管理が難しくなり、少なすぎると表示機会を逃します。 成果を見ながら徐々に追加・削除していくのがベストです。

「部分一致」は使わないほうがいいですか?

使い方次第です。 予算が少ない場合は、フレーズ一致や完全一致で確実にコントロールしたほうが安全です。 ただし、部分一致にしか表示されないキーワードも存在するため、除外キーワードと組み合わせて使えば有効な手段になります。

地域名はどの範囲まで入れるべきですか?

商圏の範囲に合わせてください。 駅名、市区町村名、エリア名のすべてを入れ、検索ボリュームと成果を見ながら調整するのがおすすめです。 商圏が半径3km以内の場合は、最寄り駅名+近隣駅名に絞るのが効率的です。

キーワードの見直しはどのくらいの頻度で行うべきですか?

最低でも月1回、できれば週1回が理想です。 特に出稿開始から1ヶ月間は、検索語句レポートを毎週チェックして除外キーワードの追加と入札調整を行いましょう。

SEOで狙っているキーワードと広告のキーワードは同じでいいですか?

基本的には同じキーワードを狙って問題ありません。 SEOで上位表示できているキーワードは広告を控え、SEOで順位が取れないキーワードを広告でカバーするのが最も効率的な使い分けです。

まとめ

リスティング広告のキーワード選定は、広告の成果を決める最重要要素です。 店舗ビジネスの場合は「地域名 + サービス名」を基本に、ニーズ系・緊急系のキーワードを組み合わせることで、少ない予算でも高い成果を出せます。

キーワード選定で押さえるべきポイントは以下のとおりです。

  • 検索意図を理解し、来店確度の高いキーワードに予算を集中させる
  • マッチタイプはフレーズ一致から始め、データを見て調整する
  • 除外キーワードは初日から設定し、週1回の検索語句レポート確認を習慣化する
  • ツールを活用して体系的にキーワードを洗い出す
  • 少額出稿でデータを貯め、改善サイクルを回す

「なんとなく」ではなく、データに基づいたキーワード選定を行うことで、リスティング広告のROIは大きく改善します。

広告運用全般の戦略についてはWeb広告の完全ガイドで、Google広告の始め方はGoogle広告の始め方ガイドで詳しく解説しています。

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