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Web広告KW選定

リスティング広告キーワード選定術

2026.04.05 公開 | 読了時間 約12分

リスティング広告を出したのに、全然問い合わせが来ない。 そんな悩みの原因は、ほとんどの場合「キーワード選定」にあります。

WEBRIESの代表はアフィリエイター出身です。アフィリエイトの世界では、キーワード選定を間違えた時点で報酬はゼロ。自腹を切って検証を繰り返す中で「検索する人の本当の意図」を読む力が鍛えられました。 ポスティング会社の支援では、競合がまったく入札していないキーワードを発掘し、専用LPとの組み合わせで月5万円から月100万円以上の売上を実現しています。

どれだけ予算をかけても、狙うキーワードがズレていれば成果にはつながりません。 逆に、正しくキーワードを選べば、月3万円の予算でも確実に来店や予約を獲得できます。

この記事では、店舗ビジネスに特化したリスティング広告のキーワード選定術を解説します。 地域名との組み合わせ方からマッチタイプの使い分け、除外キーワードの設定まで、実務で使えるノウハウをまとめました。

Web広告全般の基礎知識はWeb広告の完全ガイドで体系的にまとめています。

1. なぜキーワード選定が広告成果を左右するのか

KW選定は「誰に広告を見せるか」を決める作業

リスティング広告は「検索キーワードに対して広告を表示する」仕組みです。 つまり、キーワード選定とは「どんな人に広告を見せるか」を決める作業にほかなりません。

予算配分やクリエイティブの質も重要ですが、それ以前に「どのキーワードに広告を出すか」が間違っていれば、すべてが台無しになります。 キーワード選定は、リスティング広告の土台であり、最も重要なプロセスです。

キーワードが間違っているとどうなるか

キーワード選定を失敗すると、以下のような事態に陥ります。

  • 来店意欲の低いユーザーばかりがクリックし、広告費が無駄になる
  • そもそも検索ボリュームがなく、広告が表示されない
  • 競合が強すぎるキーワードを選び、クリック単価が高騰する
  • 自社の強みと合わないキーワードで集客し、成約率が低い

たとえば「歯医者」という単体キーワードだけで広告を出しても、「歯医者 なりたい」「歯医者 年収」といった来店と関係ない検索にも表示されてしまいます。 これでは広告費が垂れ流しになるだけです。

具体的な数字で見てみましょう。

シナリオキーワードCPCCVR月5万円での来店数
悪い例歯医者(部分一致)400円0.5%0〜1人
良い例渋谷 歯医者 予約(フレーズ一致)150円6%20人

同じ月5万円の予算でも、キーワード選定だけで来店数が0人か20人かの差がつくのです。 この差はクリエイティブの改善や入札調整では埋められません。

店舗ビジネスのキーワード選定が特に重要な理由

店舗ビジネスの場合、ユーザーが実際に来店できる商圏は限られます。 東京の歯科医院が大阪のユーザーにクリックされても意味がありません。

だからこそ、「地域名 + サービス名」を軸にしたキーワード設計が不可欠です。 また、店舗の場合は検索から来店・予約までの距離が近いため、購買意欲の高いキーワードを選ぶことで少ない予算でも高い成果を出せます。

EC(通販)のリスティング広告と異なり、店舗ビジネスには「物理的な距離」という明確な制約があります。 この制約があるからこそ、キーワードに地域名を含めることで競合を大幅に減らし、CPCを下げることができるのです。

「検索意図」を理解する

キーワード選定で最も重要な概念が「検索意図」です。 同じ「美容院」というキーワードでも、検索意図は大きく異なります。

検索キーワード検索意図来店確度
美容院 渋谷 安い安い美容院を探している高い
美容院 カラー 値段相場を調べている中程度
美容院 開業経営者志望なし
美容院 バイト求職者なし

来店確度の高いキーワードに予算を集中させることが、店舗広告の鉄則です。

検索意図は大きく4つのカテゴリに分類できます。

1. 取引型(Transactional) 「今すぐ行動したい」という意図。来店確度が最も高い。 例:「渋谷 歯医者 予約」「美容室 当日予約 新宿」

2. ナビゲーション型(Navigational) 特定の店舗やブランドを探している意図。 例:「○○クリニック 渋谷」(自店の名前なら非常に高確度)

3. 情報収集型(Informational) 情報を知りたい意図。来店確度は低い。 例:「虫歯 治療 痛い」「髪質改善とは」

4. 比較検討型(Commercial Investigation) 複数の選択肢を比較している意図。来店確度は中程度。 例:「渋谷 歯医者 おすすめ」「パーソナルジム 比較」

店舗ビジネスのリスティング広告では、1(取引型)と4(比較検討型)に予算を集中させるべきです。 3(情報収集型)のキーワードは、SEOで上位表示を狙うのが効率的です。

キーワードの検索意図を深掘りする方法はSEOキーワード選定の完全ガイドでも詳しく解説しています。

2. 店舗向けキーワードの基本構造

地域名+サービス名を軸にニーズと緊急性を加える

店舗ビジネスのリスティング広告では、キーワードの組み立て方にパターンがあります。 このパターンを知っておけば、業種を問わず応用できます。

「地域名 + サービス名」が基本

店舗広告のキーワードは「地域名 + サービス名」が最も基本的な構造です。

  • 渋谷 歯医者
  • 新宿 美容院
  • 横浜 整体
  • 梅田 パーソナルジム

地域名は「市区町村名」「駅名」「エリア名」の3パターンがあります。 それぞれ検索ボリュームと競合の強さが異なるため、すべて洗い出しておくべきです。

地域名の種類検索ボリューム競合CPC目安
市区町村名渋谷区 歯医者200〜400円
駅名渋谷駅 歯医者中〜高250〜500円
エリア名渋谷 歯医者300〜600円
細かい地名神南 歯医者80〜150円
近くの〜近くの歯医者150〜350円

最初は「駅名 + サービス名」から始めて、成果を見ながら範囲を広げていくのが効率的です。

「細かい地名」は見落とされがちですが、CPCが非常に安いのに来店意欲が高いという隠れたお宝キーワードです。 自店の周辺の町名、交差点名、ランドマーク名なども洗い出しておきましょう。

地域名キーワードの網羅的なリストアップ

地域名は思いつきで設定するのではなく、以下の観点から網羅的にリストアップしましょう。

地域名のカテゴリ例(渋谷エリアの場合)
最寄り駅名渋谷、表参道、原宿、明治神宮前
路線名山手線、銀座線、半蔵門線
エリア名渋谷、神南、道玄坂、宇田川町
区名渋谷区
ランドマークヒカリエ、109、PARCO
隣接エリア恵比寿、代官山、神泉

この中から検索ボリュームがあるものを選び、キーワードとして登録します。 すべてを登録する必要はありませんが、まずはリストを作っておくことで、後からの追加が楽になります。

「ニーズ系キーワード」を加える

地域名+サービス名だけでは、競合との差別化ができません。 そこで、ユーザーのニーズを表すキーワードを加えます。

  • 渋谷 歯医者 痛くない
  • 新宿 美容院 カット 安い
  • 横浜 整体 腰痛 おすすめ
  • 梅田 パーソナルジム 女性専用

これらのキーワードは検索ボリュームこそ少ないものの、コンバージョン率(来店率)が非常に高い傾向にあります。 いわゆる「ロングテールキーワード」と呼ばれるもので、競合も少なくクリック単価も安いため、費用対効果が高いのが特徴です。

業種別の効果的なニーズ系キーワードを一覧で紹介します。

業種効果的なニーズ系キーワード
美容室安い、上手い、カラー、縮毛矯正、髪質改善、白髪染め、メンズ
飲食店個室、ランチ、ディナー、記念日、宴会、テイクアウト、子連れ
歯科医院痛くない、土曜、夜間、急患、インプラント、矯正、ホワイトニング
整体・接骨院腰痛、肩こり、骨盤矯正、産後、ぎっくり腰、保険
パーソナルジム女性専用、初心者、ダイエット、体験、安い、40代、50代
学習塾個別指導、中学受験、高校受験、安い、評判

「緊急系キーワード」は最優先

店舗ビジネスの中でも、緊急性の高い検索は最もコンバージョン率が高くなります。

  • 歯医者 今日 予約
  • 鍵 交換 即日
  • 水道 修理 24時間
  • エアコン 修理 今日
  • 美容院 当日予約

これらのキーワードはクリック単価が高い傾向にありますが、それでも1件の成約で十分に回収できる場合がほとんどです。 自社のサービスに緊急系のニーズがある場合は、最優先でキーワードに含めましょう。

緊急系キーワードのCVR(コンバージョン率)は通常のキーワードの2〜5倍になることが一般的です。 CPCが高くても、CVRが高いためCPA(顧客獲得単価)は逆に安くなるケースが多いのです。

業種別の緊急系キーワード例をまとめます。

業種緊急系キーワード例CVR目安
歯科医院歯医者 今日 予約、歯 痛い 近く8〜15%
鍵屋鍵 交換 即日、鍵 開かない15〜25%
水道修理水漏れ 修理 今日、トイレ 詰まった15〜25%
整骨院ぎっくり腰 近く、首 寝違え 整体6〜12%
飲食店居酒屋 今日 予約、ランチ 今から10〜20%

競合名キーワードという選択肢

競合の店舗名やブランド名をキーワードとして設定する手法もあります。 「〇〇クリニック」と検索している人は、そのクリニックに行こうとしているか、比較検討中の可能性が高いためです。

ただし、競合名キーワードは以下の点に注意が必要です。

  • 広告文に競合名を含めることはGoogle広告の商標ポリシーに抵触する可能性がある
  • クリック単価が高くなりやすい
  • 既に競合を選んでいるユーザーの場合、コンバージョン率が低い
  • 競合との関係が悪化するリスクがある

使うかどうかは、自社と競合の関係性や予算を考慮して判断してください。

競合名キーワードを使う場合の広告文のコツは、「〇〇クリニックをお探しですか?同エリアの△△クリニックもご検討ください」のように、比較を促す形にすることです。 決して競合を中傷する内容にしてはいけません。

キーワードのグルーピング

洗い出したキーワードは、広告グループごとに適切にグルーピングする必要があります。 グルーピングの基本原則は「同じ検索意図のキーワードを同じ広告グループにまとめる」ことです。

おすすめのグルーピング方法を紹介します。

広告グループ名含めるキーワード例広告文の訴求
メイン(一般集客)渋谷 歯医者、渋谷 歯科「渋谷駅徒歩3分の歯科医院」
症状系歯 痛い 渋谷、虫歯 治療 渋谷「急な歯の痛みもご相談ください」
自費診療インプラント 渋谷、矯正歯科 渋谷「インプラント30万円〜」
緊急系歯医者 今日 予約、急患 歯科 渋谷「当日予約OK、急患対応」
条件系歯医者 土曜 渋谷、夜間 歯科 渋谷「土曜・夜間も診療」

このようにグルーピングすることで、キーワードと広告文の関連性が高まり、品質スコアが向上します。 品質スコアが上がればCPCが下がるため、結果的に費用対効果が改善されます。

3. キーワードの洗い出し方法と便利ツール

キーワード選定は「思いつき」で行うと、必ず漏れが出ます。 ツールを活用して体系的に洗い出すことが重要です。

Googleキーワードプランナー

Google広告の管理画面から無料で使えるツールです。 以下の情報が取得できます。

  • 月間検索ボリュームの目安
  • 関連キーワードの候補
  • 推定クリック単価
  • 競合の強さ

まず自分が思いつくキーワードを5〜10個入力し、関連キーワードの候補を取得しましょう。 そこから芋づる式にキーワードを広げていくのが基本的な流れです。

キーワードプランナーの使い方のコツを紹介します。

  1. まず「渋谷 歯医者」のような基本キーワードを入力する
  2. 「関連キーワードの候補」を取得する
  3. 候補の中から来店に繋がりそうなキーワードをピックアップする
  4. ピックアップしたキーワードを再度入力し、さらに関連候補を取得する
  5. これを3〜4回繰り返す

この作業で、50〜100個のキーワード候補が集まります。

Googleサジェストの活用

Google検索バーにキーワードを入力した際に表示される候補ワード(サジェスト)も、有力なキーワード源です。 サジェストは実際にユーザーが検索しているキーワードに基づいて表示されるため、リアルなニーズを反映しています。

「渋谷 歯医者」と入力すれば、「渋谷 歯医者 おすすめ」「渋谷 歯医者 土曜日」「渋谷 歯医者 夜」などが表示されます。 これらはすべてキーワード候補としてリストアップしておくべきです。

サジェストを効率的に取得するテクニックとして、「渋谷 歯医者 あ」「渋谷 歯医者 い」のように、50音を順番に入力する方法があります。 これにより、通常のサジェストでは表示されないキーワードも発見できます。

「関連する検索」もチェック

Google検索結果ページの下部に表示される「関連する検索」も見逃せません。 ここにはサジェストとは異なるキーワードが表示されることが多く、思いもよらないキーワードが見つかることがあります。

さらに、2024年以降のGoogleでは検索結果ページ内に「他の人はこちらも検索」「関連する質問」というセクションが表示されることがあります。 これらも貴重なキーワードの発見源です。

Search Consoleのデータを活用する

既にホームページを持っている場合は、Google Search Consoleのデータが非常に有用です。 自社サイトがどんなキーワードで検索結果に表示されているかを確認でき、そこから広告キーワードのヒントを得られます。

特に、表示回数は多いのにクリック率が低いキーワードは、SEOでの上位表示が難しいがニーズはあるキーワードです。 これをリスティング広告でカバーするのは非常に合理的な戦略です。

Search Consoleのデータから広告キーワードを見つける手順は以下のとおりです。

  1. Search Consoleの「検索パフォーマンス」を開く
  2. 表示回数でソートし、上位キーワードを確認する
  3. 表示回数が多いのにクリック率が低い(平均掲載順位が11位以降)キーワードを抽出する
  4. そのキーワードをリスティング広告に登録する

リスティング広告のデータをSEOに活かす方法では、広告とSEOのデータ連携について詳しく解説しています。

競合の広告をチェックする

競合がどんなキーワードで広告を出しているかを確認することも重要です。 以下の方法で競合の広告をチェックできます。

実際に検索してみる 自分の商圏+業種名で検索し、どの競合が広告を出しているか、どんな広告文を使っているかを確認します。

Google広告の透明性センター Google広告の透明性センター(ads transparency)で、特定の広告主がどんな広告を出しているかを確認できます。

Google広告のオークション分析 自社のGoogle広告アカウントの「オークション分析」レポートで、同じキーワードに入札している競合の一覧と、そのインプレッションシェアを確認できます。

競合が入札していないキーワードを見つけることができれば、CPCが安く、成果が出やすい「ブルーオーシャン」を発見したことになります。

キーワードをスプレッドシートで管理する

洗い出したキーワードはスプレッドシートで一元管理しましょう。 以下の列を作っておくと、後の整理がスムーズです。

列名内容
キーワード実際の検索語句
月間検索ボリュームキーワードプランナーの数値
推定CPCクリック単価の目安
検索意図来店・情報収集・比較など
優先度高・中・低
マッチタイプ完全一致・フレーズ一致・部分一致
広告グループどのグループに入れるか
状態入稿済・未入稿・除外

この一覧を作ることで、どのキーワードから出稿するべきかの優先順位が明確になります。

4. マッチタイプの使い分け

フレーズ一致から始め、データで精度を上げる

キーワードを選んだら、次は「マッチタイプ」の設定です。 マッチタイプとは、ユーザーの検索語句とキーワードの一致度合いを指定する設定のことです。

マッチタイプの選択を間違えると、いくらキーワード選定が正しくても、意図しない検索に広告が出てしまい、予算を無駄にすることになります。

3つのマッチタイプ

Google広告には3つのマッチタイプがあります。

マッチタイプ記号表示される範囲例:「渋谷 歯医者」
完全一致[渋谷 歯医者]ほぼ同じ意味の検索「渋谷 歯医者」「渋谷の歯医者」
フレーズ一致"渋谷 歯医者"意味を含む検索「渋谷 歯医者 おすすめ」「渋谷 歯医者 安い」
部分一致渋谷 歯医者関連する検索全般「渋谷 歯科クリニック」「渋谷 虫歯 治療」

マッチタイプ別のメリット・デメリット

マッチタイプメリットデメリット推奨場面
完全一致無駄なクリックが少ない、CPC安定表示機会が限定的確実に来店に繋がるKWに使用
フレーズ一致バランスが良い、新規KWの発見も可能一部不要な検索にも表示初期設定の基本
部分一致幅広い検索をカバー、新規KW発見無関係な検索にも表示される除外KWとセットで使用

店舗ビジネスにおすすめの使い分け

店舗ビジネスの場合、以下の使い分けがおすすめです。

フェーズ1(出稿開始〜1ヶ月目) まずは「フレーズ一致」から始めてください。 完全一致では表示機会が限られすぎ、部分一致では関係のない検索にも表示されてしまいます。 フレーズ一致はその中間で、コントロールしやすいバランスです。

フェーズ2(2ヶ月目以降) 検索語句レポートで成果の良いキーワードが見えてきたら、以下のように移行します。

  • 成果が良いキーワード → 完全一致に変更し、入札を強化
  • 成果が普通のキーワード → フレーズ一致のまま継続
  • 成果が悪いキーワード → 停止または除外

フェーズ3(3ヶ月目以降) データが十分に蓄積されたら、一部のキーワードを部分一致で追加し、まだ見つけていないお宝キーワードを発掘します。 ただし、部分一致を使う場合は除外キーワードの設定が必須です。

部分一致を使うときの注意点

部分一致は広告の表示範囲が広がるメリットがある一方、意図しない検索にも表示されるリスクがあります。

たとえば「渋谷 歯医者」を部分一致で設定すると、「渋谷 歯科衛生士 求人」のような来店と関係ない検索にも表示される可能性があります。

部分一致を使う場合は、必ず除外キーワード(次の章で解説)を組み合わせて使いましょう。 また、検索語句レポートを週1回は確認し、不要な検索語句が入っていないかチェックすることが必須です。

部分一致の予算は、全体の20〜30%以下に抑えることをお勧めします。 70〜80%はフレーズ一致と完全一致で確実にカバーし、残りの予算で部分一致による新規キーワードの発掘を行うイメージです。

Google広告の基本的な設定方法はGoogle広告の始め方ガイドで解説しています。

5. 除外キーワードの設定

キーワード選定と同じくらい重要なのが、「除外キーワード」の設定です。 除外キーワードとは、「この検索語句が含まれる場合は広告を表示しない」という設定のことです。

除外キーワードを設定しないままリスティング広告を運用するのは、穴の空いたバケツに水を注いでいるようなものです。 どれだけ良いキーワードに入札しても、除外キーワードが不十分なら広告費の20〜40%が無駄になります。

店舗ビジネスで必ず除外すべきキーワード

以下のキーワードは、ほぼすべての店舗ビジネスで除外すべきです。

カテゴリ除外すべきキーワード例
求人系求人、バイト、パート、採用、年収、給料、転職、就職
資格系資格、なりたい、なるには、学校、専門学校
自分でやる系セルフ、自分で、やり方、方法、コツ、手順
情報収集系とは、意味、英語、wiki、歴史、種類
無料系無料、タダ、0円(業種による)
競合・無関係(競合の固有名詞、関係ない地域名)

これらは出稿前に設定しておくのが鉄則です。 「配信してから除外すればいい」ではなく、「最初から除外しておく」のが正しいアプローチです。

業種別の追加除外キーワード

基本の除外キーワードに加えて、業種ごとに追加すべき除外キーワードがあります。

業種追加除外キーワード
美容室セルフカット、100均、ウィッグ、かつら
歯科医院歯医者 怖い 克服、歯科衛生士 学校、歯医者 年収
飲食店レシピ、作り方、チェーン店名、宅配、Uber
整体・接骨院自分で治す、ストレッチ、動画
パーソナルジム自宅トレーニング、YouTube、器具、プロテイン
学習塾無料、アプリ、動画、YouTube

除外キーワードの追加手順

除外キーワードは、Google広告の管理画面から以下の手順で追加します。

  1. キャンペーンまたは広告グループを選択
  2. 「キーワード」タブを開く
  3. 「除外キーワード」セクションに移動
  4. 追加したいキーワードを入力

除外キーワードにもマッチタイプがあります。 基本的には「フレーズ一致」で除外するのがおすすめです。 完全一致で除外すると、少しでも語句が異なれば除外されずに表示されてしまうためです。

たとえば「求人」を完全一致で除外した場合、「求人情報」は除外されません。 「求人」をフレーズ一致で除外すれば、「求人」を含むすべての検索が除外されます。

検索語句レポートから除外キーワードを見つける

最も効果的な除外キーワードの追加方法は、検索語句レポートの確認です。 検索語句レポートとは、実際にどんな検索語句で広告がクリックされたかを確認できる機能です。

ここに「求人」「バイト」「年収」などが含まれていたら、すぐに除外キーワードに追加しましょう。 これを毎週継続するだけで、無駄な広告費を月に数万円単位で削減できます。

検索語句レポートの効率的な確認方法を紹介します。

  1. Google広告管理画面の「キーワード」→「検索語句」を開く
  2. 期間を「過去7日間」に設定する
  3. クリック数の多い順にソートする
  4. 来店に繋がらない検索語句をチェックする
  5. 除外キーワードに追加する

この作業を毎週10分行うだけで、月の広告費の20〜30%を節約できます。 時間対効果が最も高い改善作業と言えます。

リスティング広告の運用改善全般についてはリスティング広告の運用改善チェックリストも参考にしてください。

除外キーワードリストの活用

Google広告には「除外キーワードリスト」という機能があり、複数のキャンペーンに一括で除外キーワードを適用できます。

求人系の除外キーワードはすべてのキャンペーンで共通して使えるため、リストにまとめておくと管理が楽になります。 新しいキャンペーンを作成したときにも、リストを紐づけるだけで設定が完了します。

おすすめの除外キーワードリストの分類は以下のとおりです。

  • 汎用除外リスト(求人系、資格系、情報収集系)→ 全キャンペーンに適用
  • 業種固有除外リスト(業種ごとの不要キーワード)→ 該当キャンペーンに適用
  • 地域除外リスト(自社商圏外の地域名)→ 該当キャンペーンに適用

6. キーワード選定の実践ステップ

ここまでの内容を踏まえ、実際のキーワード選定の流れをステップバイステップでまとめます。

ステップ1:自社の強み・特徴を整理する

まず、自社のサービスの特徴を書き出します。

  • どんなサービスを提供しているか
  • 商圏はどこか(最寄り駅、市区町村)
  • 他店との違いは何か(価格、専門性、営業時間など)
  • どんなお客さんに来てほしいか
  • 既存客はどんな悩みを持って来店したか

特に「既存客の悩み」は、キーワード選定の最大のヒントです。 過去にお客さんから聞いた「〇〇で困っていて」という言葉をそのままキーワードに変換できます。

これが後のキーワード設計の土台になります。

ステップ2:メインキーワードを決める

「地域名 + サービス名」のメインキーワードを決めます。 キーワードプランナーで月間検索ボリュームとCPCを確認し、現実的に出稿できるものを選びましょう。

月間検索ボリュームが10未満のキーワードはニーズが少なすぎるため、広告の表示回数も限られます。 最低でも月間30〜50以上の検索ボリュームがあるキーワードを選んでください。

ただし、キーワードプランナーが表示する検索ボリュームは「推定値」であり、実際にはもう少し多い(または少ない)ことがあります。 検索ボリュームが「0」と表示されていても、実際に出稿すると表示されるケースもあるため、明らかにニーズがありそうなキーワードは試してみる価値があります。

ステップ3:サブキーワードを洗い出す

メインキーワードにニーズ系の語句を組み合わせたサブキーワードを洗い出します。 サジェスト、関連検索、キーワードプランナーの候補を使って、最低でも30〜50個はリストアップしましょう。

この作業のポイントは「質より量」を優先することです。 まずは思いつく限りのキーワードをリストに入れ、次のステップで取捨選択します。

ステップ4:検索意図で分類する

洗い出したキーワードを「来店意欲の高い順」に並べ替えます。

優先度検索意図キーワード例予算配分目安
S(最優先)今すぐ来店歯医者 今日 予約 渋谷30%
A(高)近々来店渋谷 歯医者 おすすめ40%
B(中)比較検討インプラント 費用 渋谷20%
C(低)情報収集虫歯 治療 痛い10%(またはSEOで対応)

予算が限られている場合は、SとAのキーワードから優先的に出稿します。

ステップ5:マッチタイプと除外キーワードを設定する

各キーワードのマッチタイプを決め、除外キーワードを設定します。 最初はフレーズ一致を中心に、求人系・資格系の除外キーワードを必ず入れておきましょう。

ステップ6:少額で出稿し、データを見て調整する

いきなり大きな予算をかけるのではなく、日予算1,000〜3,000円から始めましょう。 2週間程度のデータが貯まったら、検索語句レポートを確認してキーワードの追加・除外・マッチタイプの変更を行います。

この「出稿 → データ確認 → 調整」のサイクルを回すことが、キーワード選定の精度を上げる最短ルートです。

キーワード選定は一度やったら終わりではなく、継続的な改善プロセスです。 毎週10分の検索語句レポート確認と、月1回のキーワード追加・削除を習慣化してください。

7. よくある失敗パターンと対策

キーワード選定で店舗オーナーが陥りがちな失敗パターンと、その対策をまとめます。

失敗1:ビッグワードに予算を集中する

「歯医者」「美容院」のような1語のビッグワードに予算を集中するのは、最も多い失敗です。 CPCが高く、検索意図が曖昧なため、クリックは多いが来店に繋がらないケースがほとんどです。

対策 ビッグワードは避け、「地域名+サービス名+ニーズ」の3語以上のキーワードに絞る。

失敗2:除外キーワードを設定しない

除外キーワードを設定せずに配信すると、求人系・情報収集系のクリックに予算が消えます。 月5万円の予算のうち、1〜2万円が無駄になっているケースは非常に多いです。

対策 出稿前に基本の除外キーワードを設定し、出稿後は週1回の検索語句レポート確認を習慣化する。

失敗3:すべて部分一致で設定する

部分一致はGoogleのデフォルト設定ですが、店舗ビジネスでは広がりすぎてコントロールが効きません。

対策 フレーズ一致を基本にし、部分一致は除外キーワードとセットで予算の20〜30%以内に抑える。

失敗4:キーワードを追加するだけで削除しない

キーワードを追加し続けると、パフォーマンスの悪いキーワードにも予算が分散し、全体の成果が下がります。

対策 月1回、過去30日間のデータを確認し、コンバージョンがゼロのキーワードは停止する。 CPAが目標値の2倍以上のキーワードも停止を検討する。

失敗5:検索ボリュームだけで判断する

検索ボリュームが多いキーワードが必ずしも良いキーワードとは限りません。 ボリュームが多くてもCVR(コンバージョン率)が低ければ、来店には繋がりません。

対策 検索ボリュームよりも「検索意図」を重視する。 ボリュームが少なくても、来店確度の高いキーワードを優先する。

よくある質問

キーワードは何個くらい設定すればいいですか?

最初は1つの広告グループにつき10〜20個が目安です。 多すぎると管理が難しくなり、少なすぎると表示機会を逃します。 成果を見ながら徐々に追加・削除していくのがベストです。

「部分一致」は使わないほうがいいですか?

使い方次第です。 予算が少ない場合は、フレーズ一致や完全一致で確実にコントロールしたほうが安全です。 ただし、部分一致にしか表示されないキーワードも存在するため、除外キーワードと組み合わせて使えば有効な手段になります。 月の予算が10万円以上ある場合は、全体の20〜30%を部分一致に充てて新規キーワードの発掘を行うことをお勧めします。

地域名はどの範囲まで入れるべきですか?

商圏の範囲に合わせてください。 駅名、市区町村名、エリア名のすべてを入れ、検索ボリュームと成果を見ながら調整するのがおすすめです。 商圏が半径3km以内の場合は、最寄り駅名+近隣駅名に絞るのが効率的です。

キーワードの見直しはどのくらいの頻度で行うべきですか?

最低でも月1回、できれば週1回が理想です。 特に出稿開始から1ヶ月間は、検索語句レポートを毎週チェックして除外キーワードの追加と入札調整を行いましょう。

SEOで狙っているキーワードと広告のキーワードは同じでいいですか?

基本的には同じキーワードを狙って問題ありません。 SEOで上位表示できているキーワードは広告を控え、SEOで順位が取れないキーワードを広告でカバーするのが最も効率的な使い分けです。 広告データをSEOに活かす方法も参考にしてください。

キーワードの入札単価はいくらに設定すればいいですか?

キーワードプランナーで表示される推定CPCの1〜1.2倍を上限入札額として設定するのが一般的です。 ただし、自動入札戦略(目標CPA、コンバージョン数の最大化など)を使用している場合は、個別のキーワード入札額を設定する必要はありません。 リスティング広告の費用ガイドで入札戦略について詳しく解説しています。

まとめ

リスティング広告のキーワード選定は、広告の成果を決める最重要要素です。 店舗ビジネスの場合は「地域名 + サービス名」を基本に、ニーズ系・緊急系のキーワードを組み合わせることで、少ない予算でも高い成果を出せます。

キーワード選定で押さえるべきポイントは以下のとおりです。

  • 検索意図を理解し、来店確度の高いキーワードに予算を集中させる
  • 地域名は駅名・市区町村名・エリア名を網羅的にリストアップする
  • ロングテールキーワード(3〜4語の組み合わせ)がCPA最適のお宝
  • 緊急系キーワードはCVRが最も高いため最優先で設定する
  • マッチタイプはフレーズ一致から始め、データを見て調整する
  • 除外キーワードは初日から設定し、週1回の検索語句レポート確認を習慣化する
  • ツールを活用して体系的にキーワードを洗い出す
  • 少額出稿でデータを貯め、改善サイクルを回す

「なんとなく」ではなく、データに基づいたキーワード選定を行うことで、リスティング広告のROIは大きく改善します。

広告運用全般の戦略についてはWeb広告の完全ガイドで、Google広告の始め方はGoogle広告の始め方ガイドで詳しく解説しています。 業種別のクリック単価相場は業種別CPC相場ガイドで、費用の詳細はリスティング広告の費用ガイドでそれぞれ深掘りしています。

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